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EMC対策PART1

EMC対策としてのコア

PART1.なぜノイズが減るのか?

コアによるノイズ低減効果には、4つの側面があります。
(A)コア挿入により電線のインダクタンスが増大して、ノイズ電流が減る。
(B)ノイズ周波数での共振を回避して、ノイズレベルが下がる。
(C)ノイズエネルギーがコアによる損失で熱に変わる。
(D)電線から放射される磁束を封じ込めて空間に放射するレベルが下がる。

ノイズ対策として期待する効果は、(A)の場合が殆どです。

(A)の場合は、2つの現象の兼ね合いでその効果が決まります。一つは、ノイズ源の内部インピーダンスと電線との不整合の度合いです。コアを取り付けることで不整合の度合いが増せばノイズは減ります。もう一つは、コア取り付けによるインダクタンス増加分での電圧降下により、ノイズレベルが下がります。

(B)の場合は、ノイズ周波数で電線が共振している状態、あるいは共振しているためにノイズがのり易くなっている状態の時には、コアを挿入することによりその周波数では共振しなくなってノイズが減ります。しかしこの効果は、コア挿入によって共振周波数がシフトするために得られる効果であって、シフトした周波数にノイズがあれば、その周波数でのノイズが大きくなります。

(C)の場合は、ノイズエネルギーがそもそもどれほどあるのか、熱に変換されて何℃に達するのか、複雑な問題が絡んでいます。熱に変換されることを期待してコアを取り付けるものではありません。

(D)は、コアというよりも磁性材料を編みこんだ電磁波遮断シートなどに期待する効果です。もちろん局所的には効果があります。放射している電線の一部にコアを挿入したとき、(A)や(B)の効果によってノイズレベルが低減することはあります。

図1
制御盤内

(1) ノイズ源からみたインピーダンスZnが大きくなり、ノイズ周波数で駆動できなくなる。
(ノイズ源内部インピーダンスとの不整合)
(2) ZL/Znでノイズが小さくなる。(コアのインピーダンスによる電圧降下)

ZLとの共振により、逆効果となる場合がある。
いずれにしても、ZLやノイズ源の内部インピーダンスは通常は不明です。
コアを挿入してみて、その効果を確認することになります。

図2-1
制御盤内

共振周波数 f =1/2π√(LC)の固有振動数をもつ回路系(必ずしも意図した回路とは限らない)に周波数 f のノイズが加わると、ノイズレベルは大きなものとなります。もちろん電線をまっすぐにしてしまえば共振はしなくなります。(Cはゼロに近くなり、共振周波数 f はとてつもなく大きくなる)
しかしストレーキャパシタンスというものは全方向に作用しており、複数の線で共振を形成しているかも知れません。あるいは、導体の壁と共振を形成しているかもしれません。

図2-2
制御盤内

共振周波数 f =1/2π√(LC)の固有振動数をもつ系にコアを挿入することにより、
L⇒L’となり、周波数 f ⇒f’となる。通常 f より f’の方が低い値となります。

図2-3
制御盤内

導電体の壁に密着させることも対策として有効です。
導電体と密着させることによって、電線のストレーキャパシタンスが大きくなります。キャパシタンスが大きければ、電線内部の高周波電流は密着させた導電体に流れます。導電体が高周波的にグランド電位であれば、高周波だけ選択的にグランドに接続していることになります。これはいわゆるパスコンと同じことです。この場合は、密着させる導電体が高周波的にグランドであることが大切です。

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