EMC指令(2014/30/EU)、RE指令(2014/53/EU)

EMC指令 EMC Directive 2014/30/EU


EMC指令は1996年に強制適用とされた制度であり、全ての電気電子機器、設備等に適用されます。その機器が発生する電磁波ノイズが通信機器等の使用を妨げないこと(EMI)と電磁波ノイズ等に対しての一定レベルの抵抗力(耐性力)を有することを要求しています。EMCとはElectromagnetic Compatibility の略で、日本語では電磁適合性で、EMI(エミッション)とEMS(イミュニティ)の両者をあわせたものです。EMC指令への適合判定にはEMC指令用の欧州規格を用います。
2016年4月20日からEMC指令(2014/30/EU)が施行され、旧EMC指令2004/108/ECは廃止されました。

EMC指令において、SGSアールエフ・テクノロジーは、設計段階での図面チェック、EMC試験、(EMC出張現場試験)を実施させて頂いております。

RE指令 Radio Equipment directive 2014/53/EU

RE指令は、欧州28ケ国内で販売される無線・通信機器の適合性を示す指令で、旧R&TTE指令(1999/5/EC)の廃止に伴い、新たに制定された指令となります。
R&TTE指令からRE指令への移行は、1年間の移行期間が設けられ2017年6月13日(火)からRE指令による強制施行が開始となりました。
2017年6月13日以降に新たに上市する製品は、RE指令の要求事項を満たす必要があります。
RE指令に適合しない製品を上市した場合は、EU加盟国の違反規則に沿って処罰を受ける可能性がありますので、ご注意下さい。
EU市場への上市、サ-ビスの開始をするためには、個々の製品がEU市場に上市された時で、全のEU指令の規定に適合していることが必要です。
製品によっては一つ以上の指令が該当することもありますので、製品の上市前に、適用すべき指令について事前に十分確認をすることが必要です。例えば、 RE指令+医療機器指令、RE指令と機械指令、RE指令と玩具指令などがあります。

RE指令の適用範囲
  1. 受信専用機器(放送受信機を含む)はRE指令の対象となります。EMC指令や低電圧指令は対象外です。
  2. RE指令の適用範囲は通信機器に限定されるため、EN 55011(CISPR 11)のISM機器はRE指令ではなく、EMC指令と低電圧指令対象のままとなります。
  3. 有線端末機器はRE指令から外れ、EMC指令と低電圧指令に該当します。
  4. 周波数範囲は3,000GHz以下が対象です。(R&TTE指令では9KHz-3000GHz)
RE指令の除外範囲

以下は、RE指令対象の除外範囲製品となります。
1. 国家のセキュリティ(警察)、国防、国の安全に関連する国家の活動で使用される無線機器。
2. アマチュア無線家が使用する無線機器で、市場で入手できない機器や自作の無線キット、改造無線機器など。
3. 海事機器指令(96/98/EC)該当の海事無線機器。
4. 規則(EC)No.216/2008の第三項の適用範囲にある航空用品、部品、器具。
5. 専門家が研究開発施設内で研究開発に使用するカスタマイズ評価キット。

RE指令の必須要求事項

3.1(a)項  健康と安全(電気安全)
3.1(b)項  EMC
3.2項   無線
3.3項      EU委員会の追加条件
3.1(a)項と3.1(b)項の電気安全とEMCは、それぞれの指令の必須要求事項の本文を採用しているのみで、RE指令で、低電圧指令、EMC指令への適合を要求している訳ではありません。

Economic Operator(EO: 経済活動の事業者)

EOは4つに分類され、それぞれの義務が課せられています。
1.製造者: EEA圏内外
無線製品を製造、設計し、EEA市場に上市する個人または法人。
義務:
・適合性評価の責任があり、製品のリスク、不適合などについて当局と協力
・必須要求事項を満たすこと
・技術文書を作成すること
・適合性評価手順を遂行すること
・適合宣言書を作成、CEマ-キングを貼付
・シリ-ズ生産の適合性を保証する手順を保持
・製品の識別情報、製造者トレ-サビリティ情報を製品に付与する
・監査当局への協力
2.任命代理人: EEA圏内
製造者に任命された個人または法人で特定の任務を製造者の代理人として行動。
義務:
・製造者から任命代理人への委任は書面によること
・事務業務 製造者から次の業務は委任できない
・製品の適合性を保証する生産過程を確実にするために必要な措置
・TD(Technical Documentation技術文書)の作成
・以下の任務の遂行が可能
1. CEマ-キング、NB識別番号の貼付(該当する場合)
2. DoCの作成と署名
3. DoCとTDを補完する(市場監査当局への協力のため)
4. 当局からの要請ある場合、製品適合性の情報、文書の全てを提出
5. リスク除外のために当局がとった行動に対して要請あれば協力

輸入業者: EEA圏内

第三国からEEA市場に製品を上市する個人または法人。
義務:
・適合製品のみ上市すること
・製造者が適合性評価手順を順守していることを確実にする
・製造者の義務が守られているか確実にすること
・製品に輸入者トレ-サビリティの情報を追加する
・保管時に製品の適合性が損なわないことを確実にする
・製品が適合していないと判断された場合、是正措置を施し、製品を適合させる
・DoCを10年間保管し、TDが市場監査当局に入手可能な状態であることを確実にする
・市場監査当局の要請に応じて、全ての適合情報を抵抗し協力する

4.ディストリビュータ: EEA圏内

製品を市場で入手可能にする個人または法人。(製造者、輸入業者ではない)
義務:
・市場監査当局に対して、製造者及びAR、または製品を入手した相手がEMC指令及びRE指令の要求する措置を講じていることを保証し、慎重に行動していることを実証しなければならない
・市場において適合製品のみを入手可能とする
・製品にCEマ-キングで貼付されていること、適切な言語で表示されあ取扱と安産情報が含まれているか、製品識別情報や製造者・輸入者トレ-サビリティ情報を確実にする
・保管時に製品の適合性が保たれていることを確実にする
・製品が不適合であると判断した場合、是正措置を講じ、製品を適合させる
・適合情報は全て市場監査当局の要請に応じ提供し協力する
注意)消費者はEU法規ではEOに区分されていないので、上記の義務は発生しません。

RE指令の適合性

R&TTE指令では適合性評価の手順として、附属書のII、 III、 IV、 Vがありましたが、RE指令においては附属書の構成が以下のように変更されています。
選択するモジュ-ルにより、ノ-ティファイドボディ(NB)の評価が必要となります。
・内部生産管理:モジュ-ルA 附属書II
・型式適合:モジュ-ルB+C 附属書III
・完全品質保証:モジュ-ルH 附属書IV

3.1(a) 電気安全と3.1(b)EMCは以下から選択できます。
・モジュ-ルA
・モジュ-ルB+C (NBの使用は任意)
・モジュ-ルH (NBの使用は必須)

3.2 無線
・整合規格がある場合
・モジュ-ルA
・モジュ-ルB+C (NBの使用は任意)
・モジュ-ルH (NBの使用は必須)
・整合規格がない場合
・モジュ-ルB+C (NBの使用は必須)
・モジュ-ルH (NBの使用は必須)
注意)欧州官報(EU OJ)に掲載された低電圧指令、EMC指令の整合規格であってもRE指令の3.1(a)項, 3.1(b)項へ整合規格を示すものではありません。RE指令でEUOJに掲載された整合規格のみでRE指令の適合を示すことが可能です。
NBはEU型式検査証明書(EU Type Examination Certificate)を発行します。
旧R&TTE指令下ではNB意見書(NB Opinion)の名称で発行されていました。

無線機器の製品登録制度

2018年6月12日から特定の無線機器に対して製品登録をする制度を予定しています。
現在、EU委員会にて制度運用の詳細について検討中です。

ユーザーへの情報

消費者・エンドユ-ザが容易に理解できる言語の取扱説明書、安全情報を提供することが必要で、取扱い説明書には以下を含むことが要求されています。
・無線機器の意図した使用方法
・無線機器を意図した通りに動作させるアクセサリ、コンポ-ネント、ソフトウェアの説明

送信機への条件
・無線機器の動作周波数
・動作周波数帯における最大無線周波数出力

アラートサインは廃止されています

地理情報

製品のパッケ-ジに表示することが必要です。
無線機器のサ-ビスを開始できない加盟国または加盟国内の地域を特定することが必要です。
加盟国によっては使用許可が必要であったり、使用制限があることをユ-ザ-に警告する必要があります。
これらの情報は、無線機器に添付される取扱説明書に詳細を記載しなければなりません。 RE指令では、サ-ビス開始に制限のある加盟国をユ-ザ-に知らせなければなりません。

簡易版Doc(適合宣言書)

DoCは:
・原本の完全なコピ-であること
・個々の無線機器に同梱されなければならない(EMC指令、定電圧指令ではこの必要はない)
・モデル構造を有し、常に最新のものでなければならない
・装置が上市される、或いは入手可能になる加盟国で要求される言語に翻訳されなければならない

簡易版DoCは、各無線機器に添付することが可能です。
その場合、DoC全文を入手できる正確なインタ-ネットアドレスまたはメ-ルアドレスを合わせて記載することが必要です。

次の記載が必要です。
Hereby manufacturer, declares that the RE type xxx of RE is in compliance with RED 2014/53/EU. The full text of the EU DoC is available at the following internet address…..

上記の記載は無線機器の上市、または入手可能となる加盟国が要求言語に翻訳されることが必要です。
簡略版DoCの定型文は、RE指令及び欧州委員会のウェブサイトにおいて各言語での参照が可能です。

簡易版DoCのメリット:
簡易版DoCを添付することで紙の節約になり、エコ対応となります。DoC全文はウェブサイトに必要言語にて掲載します。

DoCに変更が生じた場合、ウェブサイトで簡単に変更が可能となり、製品パッケ-ジの紙作業での変更は割愛可能です。
簡易版の定型文は多くの場合、変更が必要ではありません。

TD: 技術文書

技術文書が適合していない、無線機器の必須要求事項への適合を保証する十分な関連デ-タや手段を提示できない場合:
市場監査当局は製造者、或いは輸入業者に以下を要請が可能です。
→市場監査当局が容認する機関で、製造者或いは輸入業者負担で特定された期間中に試験を実施。
必須要求事項への適合を検証することを目的としています。(EMC指令では要求されていません)

技術文書には少なくとも以下の項目を含む必要があります。
・無線機器の概要:外観、マ-キング、内部レイアウトの写真(またはイラスト)、必須要求事項の適合に影響するソフトウェアまたはファ-ムウェアのバ-ジョン、ユ-ザ-情報と設置指示書
・適合評価モジュ-ルB、Cが適用された場合、NBが発行したEU型式検査証明書及び附属書のコピ-
・無線機器が少なくとも1ケ国以上の加盟国で動作できるように構成されていることを保証する要求事項への適合説明
・パッケ-ジに次の情報を記載したか否かの情報:サ-ビス開始時に課される制限と使用許可に関する現行の要求事項

整合規格

欧州官報が公布した低電圧指令及びEMC指令に該当する整合規格は、RE指令の3.1(a)項、3.1(b)項への適合を示すものではありません。
欧州官報が公布したRE指令に該当する整合規格のみがRE指令への適合性を示すために使用可能です。
無線機器の定義は、内蔵された無線機能をメインとなる機器と別に取り扱うことを認めていません。
製品は、別の指令が対象となる部分を別に取り扱うことはできません。
内蔵する無線モジュ-ル或いはコンポ-ネントの存在は、無線機器を製品として完成させるものです。
機器を組み合わせたものは無線機器となります。

製造者サンプルテスト

無線機器のリスクについて適切と思われる場合、製造者はエンドユ-ザ-の健康と安全を保護するため、以下のことをしなければなりません。
・市場で入手可能となった無線機器のサンプルテストの実施
・調査、必要に応じて不適合無線製品に対するクレ-ムとリコ-ルした無線機器を記録
・ディストリビュ-タに上記の監視内容を連絡

CEマーキングとDoc

見え易さと読み易さを維持できる限り、無線機器に貼付するCEマ-キングの高さは5ミリより低くても良いとされています。(EMC指令とは異なります)
CEマ-キングは無線機器の特性から貼付が不可能、或いは保証できない場合を除き、見え易く、読み易く、容易に消えないように無線機器或いは銘板に貼付なければなりません。
また、CEマ-キングはパッケ-ジにも見え易く、読み易く維持されなければなりません。(EMC指令とは異なります)
マニュアルへのCEマーキングへの表示義務はなくなりました。
モジュ-ルHの適合性評価手順を適用した場合、CEマ-キングの後にNB番号を貼付しけなければなりません。(モジュ-ルB+Cには該当しません)NB番号はCEマ-キングと同じ高さでなければなりません。

適合性評価手順

RE指令に於ける適合性評価手順は、以下の通りです。製造者がモジュ-ルの選択対応が必要です。

1キャプチャ

2キャプチャ

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